カテゴリ:コラム・特集 タグ:糞石/コプロライト/生痕化石
化石といえば、骨や貝殻、殻を思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが実は、動物の「ウンチ」も、条件がそろえば立派な化石になります。その名も「糞石(ふんせき)」、専門的には「コプロライト」と呼ばれるものです。
コプロライトとは何か
コプロライトという言葉は、ギリシャ語で「糞」を意味する「コプロス」と、「石」を意味する「リトス」を組み合わせた言葉です。動物の排泄物が長い年月をかけて鉱物に置き換わり、硬い岩石のような状態になったものを指します。骨の化石などと同じく、それ自体が生物の体の一部ではなく、生きていた痕跡が残された「生痕化石」の一種です。
ウンチから何がわかるのか
「ただのウンチの化石」と侮ってはいけません。コプロライトを詳しく調べることで、その動物が何を食べていたのか、当時どのような植物や生き物が周囲に存在していたのかを知る手がかりが得られます。骨の化石だけでは分からない、その生き物の暮らしぶりが見えてくるのです。ある意味では、骨の化石以上にその生き物の生活に迫ることができる、貴重な資料だと言えます。
巨大な肉食恐竜が残した迫力の一品
これまでに発見されたコプロライトの中には、驚くほど大きなものもあります。肉食恐竜として知られるティラノサウルスのものと考えられる糞石では、長さがおよそ40センチを超える例も報告されています。当時、この生き物がどれほどの量を食べていたのか、想像するだけでも圧倒されます。
鉱物に置き換わったコプロライトは、断面を見ると美しい模様が現れることもあり、化石コレクターの間では、糞石だけを専門に集める人がいるほどです。「ウンチの化石」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、そこには、その生き物が生きていた証としての確かなロマンが詰まっています。
かせきのきせきでは、こうした生痕化石についても、今後さまざまな角度から紹介していく予定です。骨や殻だけではない、化石の奥深い世界をこれからも一緒にのぞいていきましょう。