図鑑には「体長13メートル」「体重6トン」といった数字が並んでいますが、正直なところ、数字だけではその迫力はなかなか実感できません。そこで今回は、ティラノサウルスの「足あと」に注目してみます。
足あと化石からわかること
ティラノサウルスなど大型の肉食恐竜が歩いた跡は、当時の柔らかい地面に残り、そのまま地層に埋まって化石になることがあります。こうした足あとの化石は「生痕化石(せいこんかせき)」と呼ばれ、骨の化石とはまた違った情報を教えてくれます。歩幅や足あとの深さから、その恐竜がどのくらいの速さで歩いていたのか、体重をどのように支えていたのかを推測する手がかりになるのです。
これまでに発見されているティラノサウルスの足あと化石は、大きいものではおよそ70〜80センチ前後に達するとされています。成人の靴のサイズがおよそ25〜30センチ程度であることを考えると、その差は歴然です。
人間の足あとと並べてみると
もし人間の足あとの隣にティラノサウルスの足あとを並べたら、人間の足あとがすっぽり2つ以上入ってしまうほどの大きさになります。しかも、ティラノサウルスの足には鋭いかぎ爪があり、体重は乗用車1台分をゆうに超えます。足あとの大きさだけでも、その体をいかに巨大な脚で支えていたかがよくわかります。
群れで歩いていた証拠も
近年の研究では、ティラノサウルスの仲間の足あと化石が、複数まとまって同じ方向に向かって見つかった例も報告されています。これは、大人と若い個体を含む複数の個体が、一緒に移動していた可能性を示す手がかりとされています。恐竜と聞くと単独で狩りをするイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実際には群れで行動していた可能性もあるのです。
一つの足あとから、歩き方、速さ、そして仲間との関係まで見えてくる。化石は骨だけではなく、こうした「生きていた痕跡」からも、たくさんの物語を教えてくれます。
かせきのきせきの図鑑ページでは、ティラノサウルスの大きさをほかの生き物と比較したビジュアルも掲載しています。ぜひ、その圧倒的なスケール感を確かめてみてください。